1918年から流行したスペイン風邪の場合、その死者に占める割合は、10代から30代の体力のある若者が多かったそうです。若者であっても、死に至る危険があるのだということ、その為に、今から準備することが必要であること、などを認識させる必要があります。スタチン(脂質異常症治療薬)が効果があるという報告もありますが、まだ調査段階です。自分は身体が丈夫であるし、若いので大丈夫だろう、と思って、あまり意識していない人達が問題です。
毎年流行がみられるインフルエンザの場合は、高齢者や子供などの体力の無い人達によくみられます。通常、免疫の過剰反応を抑える薬であるステロイドというのを使いますが、鳥インフルエンザの患者にステロイドを使った場合、ウィルスが増えたという結果があります。しかし現在、サイトカインストームに対する予防法も治療法も分かっていません。マスクを購入したり、日用品を備蓄する、等の準備をしていないと、流行後に大変なことになります。
身体には、本来から持っている、病原体と戦い身体を守る免疫機能というものがあります。WHOでは禁忌としています。現時点で大切なことは、働き盛りの年代や若者においても、新型インフルエンザというのは深刻な問題であるというように認識させることです。
サイトカインストームとは、免疫機能が暴発して起こります。その免疫機能が、ウィルス感染などにより極端に強くなり、自分自身の正常な細胞を破壊し、重病化、あるいは死に至るといったことが起こると考えられます。なぜ、新型インフルエンザは、通常の場合と違い、若年層に被害が大きいと言われるのでしょうか?それは「サイトカインストーム」を起こすからだ、と考えられています。